出会いツナがるレポート

心に残る出会いの体験談を集めています。

一生の親友となる彼とは偶然の再会があったのです

 

語り手プロフィール

男 18歳 高校生 県内有数の大学進学率ほぼ100%の進学校の3年生で、大学進学か地元で公務員として就職するか悩んでいた高校生でした。

実家が農家で本来次男なのでいずれは家を出ていく立場だったのですが、ある日長男の兄が養子になることになり、突然跡継ぎとして家に残らなければいけなくなったのです。そこでとりあえず県職員の採用試験を受けたのですが、その一次の採用試験の会場が自分の通学している高校でした。

 

出会った相手のプロフィール

男 17歳 高校生 中学時代同じクラブ活動で汗や涙を流した仲間でした。自分とは別の高校に進学したのでその後の交流は無かったのですが、やはり進学校に進学し大学に進学するかどうか迷った末、病気がちの父親を兄さんと一緒に支えたいとの思いで、地元で一番の優良企業?県庁に就職するべき、採用試験を受けに来たのでした。

運動神経が抜群で学力は私の方が若干上回っていましたが、クラブ活動を初め運動で彼にかなうものはありませんでした。

 

出会いストーリー

県職員試験会場での再会

 私が住んでいた県では紅葉がまもなく始まろうとする10月初めの日曜日、私は自分の通学している高校に向かいました。それは来年の県職員の採用試験を受ける為で、その一次の筆記試験の会場が自分の通学している高校だったからです。

入口で受付をして指示された教室に向かいました。あいにく試験会場は自分の教室ではありませんでしたが、そこは勝手知ったる何とやら、うろうろしている他の受験者をしり目にスムーズに試験会場に行き教室に入ろうとした時です。

教室の入口の引き戸の脇に忘れもしない、中学時代に同じクラブで一緒に苦楽を共にした彼の姿を見つけたのです。

 

彼も私を見て直ぐ気がついたようです。

お互い「ようしばらく、お前も採用試験を受けるのか?」とほぼ同時に同じ言葉が出ました。

 

彼の受験動機

試験の時間が迫っていたのでそこで旧交を温めている時間はなく、取りあえず教室に入り、試験が全て終わった後で少しは時間があるということなので、近くの喫茶店でいろいろ話をし、その時彼の事情を聞いたのです。自分の受験動機の何と不純なことと恥ずかしく思った記憶が今でも忘れません。

 

喜び合った合格と、ともに過ごした日々

 

その後再び連絡は途絶えていたのですが、運よく2人供採用試験に合格していました。県庁の講堂で行われた新規採用職員への辞令交付式に真新しい背広姿の彼の姿があったからです。お互い良かったなあと肩をたたき合って喜んだものです。そして辞令交付を受けた後、それぞれの編入先の部課の上司に伴われて勤務部署に向かいました。

彼は人事課、私は農業関係の課でした。お互い編入先は違いましたが、同じ釜の飯を食った仲間、気が合うというか何というか、良くつるんでとにかくいろいろしました。仕事はもちろんバリバリしましたが、遊び酒飲みも本当に良くしました。

その為2人の友情は大いに深まって、数年ごとの転勤で勤務先が遠く離れた場所になってもお互い連絡を取り合って、今度はつながりが途絶えることはありませんでした。この関係はお互いが結婚して家庭を持ってからも、少しおとなしい付き合いになりましたが、定年退職した後の今でもずっと続いていて一生の親友となりました。これはあの私の母校での県職員採用試験で偶然の再会があったからです。人生って不思議なものですね。